『呻吟語』の言葉2
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隔の一字は人情の大患なり、故に君臣・父子・夫婦・朋友・上下の交わりには務めて隔を去る。此字去らずして、而も怨み叛かざる者は未だ之れ有らざるなり。


  子弟、富貴の家に生まれたるは、十の九は驕惰(きょうだ)淫泆(いんいつ)多く、大いに長進せず。


  言を慎むの地は、()れ家庭を(かなめ)と為す。


  閨門の中(家庭内)、此の礼の字を()(をは)れば、身(ほろ)び家破るること皆此れより起る。


  曲木は(ただ)さるるを(にく)み、頑石は攻めらるるを(にく)む、善を責むるの言は慎まざる可らざるなり。


  道は是れ第一等、徳は是れ第二等、功は是れ第三等、名は是れ第四等。


  世の()(あく)は窮り無く、人の精力は(かぎり)有り、(かぎり)有るを以って窮り無きと闘へば則ち物の人に勝つこと、(ただ)に千万のみならず、之を奈何ぞ病み且つ死せざらんや。


  天下の治と乱は、只だ相責めるか各々尽すかの四字にあり。


  生成は天の道心、災害は天の人心なり、道心は人の生成、人心は人の災害なり。


  大事・難事には(たん)(とう)を看、逆境・順境には襟度(きんど)を看、喜に臨み怒に臨みては涵養を看、(ぐん)(こう)羣止(ぐんし)には識見を()る。


  其心を大にして天下の物を容れ、其心を虚しくして天下の善を受け、其心を平かにして天下の事を論じ、其心を潜めて天下の理を観、其心を定めて天下の変に応ず。



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