○大いに相反する者は大いに相似たり、此れ理勢の自然なり、故に怒極まれば則ち笑ひ、喜極まれば則ち悲しむ。
○ 智者は、命と闘はず、法と闘はず、理と闘はず、勢と闘はず。
○ 富めるは能く施すを以って徳と為し、貧しきは求むる無きを以って徳と為し、貴きは人に下るを以って徳と為し、賤しきは勢を忘るるを以って徳と為す。
○ 其の善有りて彰はす者は、必ず其の悪有りて揜う者なり。
○ 其の悪を悪むこと厳ならざる者は必ず己に悪有る者なり、其の善を好むこと亟かならざる者は必ず己に善無き者なり。
○ 懶散の二字は、身を立つるの賊なり。
○ 物は全盛を忌み、事は全美を忌み、人は全名を忌む。
○ 人の過を聞くを喜ばんよりは己の過を聞くを喜ぶに若かず、己の善を道ふを楽しまんよりは人の善を道ふを楽しむに若かず。
○ 君子天道を論ずるには禍福を言はず、人を論ずるには利害を言はず、吾が性分の当に為すべきよりの外は皆心を庸ひず。
○ 過寛は人を殺し、過美は身を殺す。
○ 我心を去り了れば、便ち是れ天清く地寧き世界なり。
○ 悟とは吾が心なり、能く吾が心を見れば便ち是れ真の悟なり。
○ 天は是れ我の天、物は是れ我の物なり、至誠の通ずる所感格せざる無し。
○ 君子は其の知る可きを知り、其の知る可からざるを知らず。
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