『呻吟語』の言葉6
宇宙・自然・意識・人間学本文へスキップ
 

生き方発見のロゴマーク


生き方発見の場

生き方 人生 自己陶冶 成功 人間学


<meta





功なる者は、気化の賊なり、万物の禍なり、心術の()なり、財用の災なり、君子は貴ばず。


  人我を信ぜずば之を弁ずとも何の益あらん、人若し我を信ぜば何ぞ弁ずるを事とせん。


  人を処し・己を処し・事を処するには、(すべ)(あま)り有らんことを要す(あま)り無ければ便ち救性無し。


  ()つに当りては久しきを厭ふこと莫かれ、久しき時と得る時と(あひ)(となり)す。


  (あま)り有るは、事に当るの妙道なり。


  天下の事は意外に在るもの常に多し、衆人は眼前に事無きことを見得れば都て心を放下す、明哲の士は只だ意外に在りて工夫を做す、故に毎に万全にして後の憂い無し。


  君子は、才無きを之れ患ふるに非ず、善く才を用ひざるを患ふるのみ、故に惟だ有徳者のみ能く才を用ふ。


  識見無きの人は(とも)に説話し難し、偏りたる識見の人は更に(とも)に説話し難し。


  方厳なるは、是れ人を処する大病痛なり。


  天下後世の事を謀るには、最も草々にす可からず、当に深く思ひ遠く慮るべし。


  天下の事は、勢に乗じ時を待たんことを要す。


飯は()まずして就ち()むこと()かれ、路は看ずして就ち走ること()かれ、人は擇ばずして就ち交はること()かれ、話は想はずして就ち説くこと()かれ、事は思はずして就ち做すこと()かれ。



前ページ次ページトップページ