『呻吟語』の言葉7
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前面の千里を見るには、背後の一寸を見るに若かず。


  誉既に汝に帰せば毀は将た安んぞ辞せん、利既に汝に帰せば害は将た安んぞ辞せん、功既に汝に帰せば罪は将た安んぞ辞せん。


  上士は意を会す、故に人を体するや意を以ってし、人を観るや亦意を以ってす。


  毀るを聞きて怒るは只だ是れ量廣からざるなり、真の善悪は我に在り、毀誉は我に於て分毫の(あひ)(あづか)る無し。


  大事に当るには、心神定まり心気足らんことを要す。


  富貴は家の災なり、才能は身の(わざわひ)なり、聲名は謗の(なかだち)なり、歓楽は悲の(しきもの)なり、故に惟だ順境に処するを難しと為す。


  (あやまる)処有れば更に宜しく鎮定すべし、忙乱す可からず、一たび忙乱すれば則ち相因りて(あやま)る者窮り無し。


  柔は剛に勝ち、訥は弁を止め、譲は争を媿()ぢしめ、謙は傲を伏す。


  易きを(ゆるが)せにすれば、則ち難きを失ふ。


  過ぎて人を責望するは、身を亡ぼすの念なり。


  時を識るは易く、勢を識るは難し。


  人をして畏る可からしむれば未だ之を(にく)まざる者有らず、(にくみ)(そしり)を生ず、人をして親しむ可からしむれば未だ之を愛せざる者有らず、愛は(ほまれ)を生ず。


  視聴言動思は常に閉ぢて而して時に(ひら)くこの五閉は、生を養ひ徳を養ふの道なり。


  極まらざれば則ち離れず合はず、極まれば則ち必ず離れ必ず合ふ。


  陽極まらざれば則ち陰を生ずる能はず、陰極まらざれば則ち陽を生ずる能はず。



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