○前面の千里を見るには、背後の一寸を見るに若かず。
○ 誉既に汝に帰せば毀は将た安んぞ辞せん、利既に汝に帰せば害は将た安んぞ辞せん、功既に汝に帰せば罪は将た安んぞ辞せん。
○ 上士は意を会す、故に人を体するや意を以ってし、人を観るや亦意を以ってす。
○ 毀るを聞きて怒るは只だ是れ量廣からざるなり、真の善悪は我に在り、毀誉は我に於て分毫の相干る無し。
○ 大事に当るには、心神定まり心気足らんことを要す。
○ 富貴は家の災なり、才能は身の殃なり、聲名は謗の媒なり、歓楽は悲の藉なり、故に惟だ順境に処するを難しと為す。
○ 錯処有れば更に宜しく鎮定すべし、忙乱す可からず、一たび忙乱すれば則ち相因りて錯る者窮り無し。
○ 柔は剛に勝ち、訥は弁を止め、譲は争を媿ぢしめ、謙は傲を伏す。
○ 易きを忽せにすれば、則ち難きを失ふ。
○ 過ぎて人を責望するは、身を亡ぼすの念なり。
○ 時を識るは易く、勢を識るは難し。
○ 人をして畏る可からしむれば未だ之を悪まざる者有らず、悪は毀を生ず、人をして親しむ可からしむれば未だ之を愛せざる者有らず、愛は誉を生ず。
○ 視聴言動思は常に閉ぢて而して時に啓くこの五閉は、生を養ひ徳を養ふの道なり。
○ 極まらざれば則ち離れず合はず、極まれば則ち必ず離れ必ず合ふ。
○ 陽極まらざれば則ち陰を生ずる能はず、陰極まらざれば則ち陽を生ずる能はず。
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