『呻吟語』の言葉8
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(をはり)(きわみ)(はじめ)と接し、困の(きわみ)は亨と接す。


  上才は為して而も為さず、中才は只だ為す有るを見る、下才は一も為す所無し。


  根本無きの気節は酒漢が人を()つが如し、酔へる時は勇なれども醒むる時は索然として分毫の気力無し。


  激するを以って直と為し浅きを以って誠と為すは、皆賢者の過なり。


  聖人は道徳を以って功名と為す者なり、賢人は功名を以って功名と為す者なり、衆人は富貴を以って功名と為す者なり。


  其の処することの未だ必ずしも当らざる者は必ず其の思ふことの(くわ)しからざる者なり、其の思ふことの(くわ)しからざる者は必ず其の心の切ならざる者なり。


  (いきおひ)は、時有りて窮す。


  君主憂ふれば則ち天下楽しみ、君主楽しめば則ち天下憂ふ。


  善く威を用ふる者は軽々しく怒らず、善く恩を用ふる者は妄りに施さず。


  上に居るの患は、功無きを賞し罪あるを赦すよりも大なるは莫し。


  民を足らすは、王政の大本なり。


  書を印するには先づ個の印板の真ならんことを要す、陶を(つく)るには先づ()()()からんことを要す、邪官を以って邪官を挙げ俗士を以って俗士を取らば国治まらんことを欲すとも得んや。


  賢人は只だ是れ一味、聖人は五味を備ふ。



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